実話を映画化したものらしい。
主人公のサルーは幼い頃にとあるインドの駅で迷子になり、列車の中で眠ってしまいカルカッタまで運ばれてしまうが、正しい地名も言えず家に帰れないまま収容所に入れられ、愛情溢れるオーストラリアの夫婦の元に引き取られる。
大人になったサルーに幼い頃の記憶が蘇り、実の家族を探すことを決意する。

あくまでも私の主観で捉えてみるが、この波乱に満ちたサルーの人生は、映画になる程の誰でもが経験し得ない話しだが、サルーにとって、この人生におけるギフトと受け取った。
あの時、迷子になり家に帰れない状況に置かれたからこそ彼の人生は本来より広がっていったように思う。
オーストラリアの夫婦、特に母親は夫婦間で子供を作れたにもかかわらず、敢えて養子を希望した。
それは、まだ若い頃に受けた啓示的な幻覚が彼女自身を幸福へ導くことを予知していたからに違いない。
その幻覚とは、『畑の向こうに浅黒い肌の子が立っていて、いつしかその子が自分の側へ来て、何ともいえない幸福を感じた』というもの。
正に運命の出会いだ。
こういったスピリチュアルな体験は、実は誰にもあるのではないかと思う。
ただ、あり得ないと思い込み、気のせいと判断するか、気がついていないかだ。
現代人は、ことにシックスセンスが退化してしまっているように思う。

映画のエンディングで、実際のサルーの映像が映され、それが現実であることを実感させられる。
最後に、未だインドでは身元不明で収容される子供たちが多いとあった。

私がこの映画と出会ったことも、またそれが心に残ることも運命なのかと思う。